前回、SIAAマークについてお話致しました。そこで、抗菌加工製品の抗菌性能の1つとして、
・抗菌評価試験はJIS Z 2801 5.2項(ISO22196)で行い、無加工試験片と比べ細菌の増殖割合が100分の1以下(抗菌活性値2以上)であること。
という項目がありました。
そもそも、抗菌活性値とは、どのようなものなのでしょうか。今回は、この抗菌活性値についてお話したいと思います。
まず、抗菌活性値の計算式は以下になります。
・抗菌活性値 = A - B
A:抗菌無加工品の24時間後の1cm2あたりの生菌数の対数値の平均値
B:抗菌加工品の24時間後の1cm2あたりの生菌数の対数値の平均値
例えば、Pal-Feel(パルフィール)を用いて簡易化し、実際に計算すると以下のようになります。
ここに、A,Bという2つの試験対象物があります。
A:Pal-Feel(パルフィール)をスプレーしていないもの
B:Pal-Feel(パルフィール)をスプレーしたもの
このA,Bに対して、ある菌を植え付け、増殖させます。使用されるの菌の種類は、一般的には大腸菌や黄色ブドウ球菌であることが多いです。これらは、適度な条件下で24時間後に何千、何万倍にも増殖します。しかし、BではPal-Feel(パルフィール)がスプレーされているため、菌は増殖しません。この時、24時間後の菌の数に差異が生まれます。例えば、
A:菌の数 10,000
B:菌の数 10
であったとします。
ここで、常用対数を用いて、抗菌活性値を算出します。10,000は、10の4乗ですので、対数値は4、10は10の1乗ですので対数値は1となります。すなわち、抗菌活性値は
4-1=3
と表すことができます。また、抗菌活性値とは別に、抗ウイルス活性値、というものもあります。菌とウイルスでは試験方法が異なるのですが、抗ウイルス活性値もまた、同様に2以上でその効果が認められています。この様にして様々な抗菌活性値が算出可能となりますが、実際のエビデンスに基づくPal-Feelの抗菌活性値、抗ウイルス活性値はいくつでしょうか。
・菌A:5.9
・菌B:6.3
・ウイルスC:4.2
・ウイルスD:4.2
・ウイルスE:3.2
様々な菌やウイルス種において、2以上の抗菌活性値、及び抗ウイルス活性値が得られていることがわかります。中々、エビデンスまで確認できる商品は多くはないかもしれませんが、高品質な商品選びの1つの指標にしていただければと思います。